高校生の私へ

美優は、自分の容姿を自覚していた。

 

それが、世間で言われるような「美人」という部類の水準には達していないことを自覚していた。

 

ただ、自分のそれは、服装や所作、化粧によって取り返しのつく程度のものであるということも知っていた。

 

だからこそ、幸せな未来は、自らの行動によって掴み取らねばならないとも、感じていた。

待っていれば降ってくるような王子様との「出会い」というものはおおよそ諦めつつも、自分なりに努力をして一歩を踏み出す勇気を持っておく必要があることに、彼女は高校生にして気づいていたのだ。